昨日のHゼミ

 ハミルトンの式(rB - C > 0)をめぐるレビュー。B,C,rの本来の意味についての解説と、Wilson & ヘルドブラのPNAS以降むし返されている論争についての解説で、大変におもしろかった。社会性が成り立った後の平衡状態を議論しても意味がない、というのは当然ながらなるほどと思った。社会性が生じるまさにその時点(そして引き返せない点)のプロセスを説明するときにはどういうパラメータの定義・定式化・モデル化をしたらよいか、という議論。しかし、これはおそらくとても難しいのではないか。お約束で、最後はKellerの悪口大会になった。
 個人的には、社会性が起こった瞬間を世界の研究者が間近で見ていて、そのときの血縁度がデジタルにハッキリわかったとしても、みんな「やっぱり俺のいうことが正しかった」と主張するんじゃないか、と感じた。それほど微妙な問題に見える。
 土畑さんが年明けにいらっしゃるということで、こちらのゼミも楽しみである。