上の新聞、本当に戦争の報道一色です(しかし、株情報はありました)。中国のどこそこを爆撃した、どこそこに日章旗が立ったという記事が勇ましく書かれています。広告はというと、栄養剤(わかもととか)と本(文藝春秋とか)ばかり。本当にどんな時代だったのでしょうか。社会の目標というものがはっきりしていたということで、好戦的な人にとっては「やりがいのある」社会だったのではないかと思いますね。疑問を持ってしまった人にとっては地獄だったのでしょうが。
 ちょっと興味が出てきたので、その時代の新聞を何年かぶん読んでみたいと思うようになりました。先週入った蕎麦屋で読んだ雑誌に二・二六事件の三人の惨殺写真が載っていたのですが(美女のグラビアの直後に載せるのはやめてほしいものです)、すごい衝撃でした。やはり死というものはおそろしいものです。戦前はよかったという論調もありますが、とんでもない。私が生きていたら徴兵されないことを毎日祈りながら過ごしたでしょう。とても勉強が手に着くとは思えない。平和がいいことは疑いありません。しかし、そのありがたみはもう風化しています。日本はもういっぺん、こっぴどく痛い目を見なければ目が覚めないだろうと思います。