- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 1982/01/14
- メディア: 文庫
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この本の名前は昔からよく耳にしていたので、読もう読もうと思っていたのだが先延ばしになってしまっていた。今回ようやく読むことができた。
著者はジャーナリスト・記者なので文例はルポや記事が主体である。そのせいかこの本で伝えるノウハウは研究用のそれとはちょっと違うように感じた。それにいわゆるハウツー本と比べて筆者の考えが前面に押し出されており、あくまで「本多勝一」を知る著作として読むべきものかもしれないと思った。
面白かったのは第三章の「修飾の順序」と第四章の「句読点のうちかた」。また第六章の「助詞の使い方」はちょっと難しいが興味深い。例えば、この文章の最初の「この本の名前は」に使われている「は」はどういう働きなのか(主語ではない)という問題について考察している。また第七章の「段落」では段落を適当に決めてはいけないということを述べており、楽しく読めた。
その反面後半部分の章は蛇足のように思える。また原稿用紙の使い方などの章は現代ではあまり必要なくなってしまったかもしれない。
技術習得のためだけにこの本を読んだら面食らうだろう。むしろ本多氏の考察に身をまかせて楽しむような読み物である。