飛行機の中で

土を喰う日々―わが精進十二ヵ月』 新潮文庫
水上 勉 (著)
isbn:4101141150
 これはいつか読もうと思っていた。もちろん『美味しんぼ』で紹介されていたからである。京極はんが「今日は何をごちそうしてくれんのか?」「さあて、それは土と相談しなくては・・・」「土と相談やて?なんのこっちゃ?」というくだり、覚えている方も多かろう。まさに「土と相談」がこの本のテーマである。筆者の禅寺の経験に基づく話が多く、材料を無駄にしないことが極意とある。これを素人が真似したら、ただのスノッブであろう。
 この人ほど、ほうれんそうのおひたしとか、小松菜と油揚げの煮物とかを旨そうに書ける人はいなかろう。この本に出てくるクワイの丸焼きのうまそうなことといったら・・・。
 この本は、レシピとしても使える。