憲法草案

  • 時間を見て、論点となっている憲法草案を見てみる。pdf: http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf
  • 文案を見るに、「このほうがわかりやすいでしょ?」という理由があるようです(実際、ところどころにそう書いてあるし)。でもそれでいいのかな。
  • たとえば、人権のQ14(p.14)「公共の福祉」は意味がわかりにくいから「公益及び公の秩序」にしますってある。たしかにわかりやすいけど、意味はだいぶ違ってしまうのではないですか?
  • わざわざアンダーラインで、「意味が曖昧である「公共の福祉」という文言を「公益及び公の秩序」と改正することにより、憲法によって保障される基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにしたものです。」としているあたり、率直に言って怖いと感じます。
  • 気になるのは、「個人が人権を主張する場合に、他人に迷惑を掛けてはいけないのは、当然のことです。」という一文。これには猛烈な気持ち悪さを感じます。*1。「◯◯は当然のことです」とは、主に明確な理由がなく、慣例に従わせるときに使う安直な言葉だからです。(私も実習にぜんぜん来ない学生には言うのですが)
  • 人権を主張する際に、他人に迷惑をかけることはできない。そんなことがいつも可能でしょうか?(とっさに思いつきませんが、反例が多々あるような気がします。)。もちろん、他人=公権力の意味で使うのなら、もう何をか言わんやです。
  • この部分がしっくりこないので、ここと次の文「そのことをより明示的に規定しただけであり、これにより人権が大きく制約されるものではありません」とは、私の中では整合しません。よって、納得できません。
  • もしかすると、1文目の「人権を主張する場合」の意味が、たとえば「生活保護などの金銭を受給する場合」という、2文目と違う意味で書かれているのか。
  • 法律関係の素養が全然ないのでわからないことだらけですが、とりあえず

人権規定も、我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だ
と考えます。現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると
思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました。

というのは、一市民として怖いの一言です。

追記)前文で、「基本的人権」はむしろ強調されているので、よけい混乱しているのです。(16:20)

*1:これに限らず、説明中に、当然です・常識です・他の国はそうしています、とか、私のすさまじく、おぞましく嫌うコトバが多いです。