私はその人を常に寺豚先生と呼んでいた。だからここでもただ先生と書くだけで本名は打ち明けない。これは世間を憚る遠慮というよりも、その方が私にとって自然だからである。これは世間を憚る遠慮というよりも、そのほうが私にとって自然だからである。

 
 …早い話が先生の nested clade analysis 論文(1998)がわかんない!というか長ーい!って半分ヤケになって八つ当たりしているのである。しかし、googleしたら日本語の「攻略本」的なサイトが見つかったので(ありがたい!)、もちろんそっちを先に見ることにする。子どものころにやった「ドルアーガの塔」を思い出した。攻略本がなくては絶対にそのゲームはクリアできないのだった。院生時代、変動環境への適応理論の古典のLevins(1968)でもそういう「攻略本」が役に立ったことがある。そのときの攻略本の執筆者はiws先生だった。
 

研究室のF氏からぜひ系統樹の世界に来いと言われたので、私は多少の労力を工面して解析をすることにした。私は2、3年を費やした。ところが、私がなんとか樹らしきものを描けるようになって三日と経たないうちに、私を呼び寄せたF氏は、急になんかに刺激されたらしく、ネットワーク解析やんない?とか言い出した。彼は論文を私に見せてどうしようと相談をした。私にはどうしていいかわからなかった。けれども実際彼はもとより修論生の面倒を見るべきはずであった。っていうか読むのが面倒になったらしい。それで彼はとうとうフィールド生態学に帰る事になった。せっかく来た私は一人取り残された。

 
 流れ的にはそんな感じで(多少脚色)。
 

ネットワークはもともと非階層的なので、私たちの直感的な理解を最初から拒んでいます。(中略)・・・よほどうまく図示化したり要約したりしないかぎり、ネットワークそのものを丸呑みして消化できるほど、私たちの知的胃袋は頑丈ではないのです。
(三中、2006)

はい。まったくそう思います。そのとーりだと思います。
  
 
撤退。
また遊佐未森を聴いて寝ます。
しかし、よく見たら、アルバムのパッケージにはなにか特定分野のヒトビトを刺激するものが描かれているようだ。