紹介 パディントン発4.50

 

再読。本作のマープルは徹底的に安楽椅子探偵を決め込んでいる。列車の並走時に殺人が見えたという友人の話から、沿線の大屋敷に目をつけ、遺産相続の話を聞いて真犯人を炙り出す瞬間は芝居的で見応えがある。柩の中の遺体が誰かわかった人は相当読み慣れた人だろう。古典的なミスリードかもしれないが、私はすっかり騙されてしまった。代表作なのも頷ける。