- 作者: アガサ・クリスティー,加島祥造
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/11/11
- メディア: 文庫
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アガサがおばあちゃんになってからの作品はグダグダなものが多かったりするらしい(そんなに僕もそんなに読んだわけではないけど、苦痛な作品もたしかにあった)。
でもこの作品はおすすめ。
大富豪のただの老衰死のはずが、葬式後の親族の遺言についてのおしゃべりの中、ちょっとおかしい親戚のオバサンから「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」との爆弾発言が飛び出る。
そのオバサンまでも斧でメッタ打ちにされてしまい、一族の不審な行動が次々に見え隠れし始める。
ところが、そのときの葬式の場に違和感を持つ人間が一人・・・
なにがおかしかったのか?
そしてときどき姿を見せる修道女は一体?
「だって、リチャードは殺されたんでしょう?」
この発言の意味するところは、解決編でポアロの手によってすっきり解決される。
同時に、真犯人の切なすぎる動機も暴かれることになる。
ディビッド・スーシェの実写版も、ほとんどストーリーを改変せずに、うまく原作を再現できていると思う。解決編もお見事だった。でも、原作のシミジミした余韻が薄れてしまったのがちょっと残念かも。
今日のひとこと
しかし、あんなふうに世の中からまったく隔絶してしまうって気持ちはわかりませんわ。