進化のからくり

 遅読の僕がほぼ一日で読んでしまったほど面白かった。千葉先生にはまだお会いしたことはないが、きっとアツイ方なんだろう。

 進化という話題なので遺伝子の話が多いが、内容はそれほど難しくはない。それどころか生態遺伝学の話はとても面白い。ただし、ジェレミーの巻貝の母性遺伝については、私のように飲み込みが悪い人にもっと説明してもよかったと思った。

 エム先生の共同研究の楽しさと難しさは溜息が出るほど生々しく、結果は鮮やかだ。また、小笠原の無鉄砲な探検はそれだけで一冊まとめてほしいくらいだ。実際以前NHKのドキュメンタリーで観たような。

 みんなダーウィンになれるというのが殺文句で、ズキュンときた。私は後継ダーウィンたりえているのだろうか。自問せずにはおれない。