統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀
 方々で噂されているので取り寄せてみた。寝る前とかに読んでいる。ピアソン、フィッシャー、ネイマン、コルモゴルフといった、統計学を使う人にはおなじみの名前が次々と登場し、複雑な人間模様を織りなす。あっという間に最後まで読めそうだ。
 私が面白く読んでいるのは天才フィッシャーの見事なまでの頑固っぷり。

フィッシャー(パイプを吸っている姿がよく撮影されている)は、喫煙が肺がんを引き起こすことを示そうともくろまれた証拠には欠陥だらけであると強く主張した。(中略)バークソンとネイマンは証拠が数年にわたって蓄積されると、その関連性が証明されたことに納得したが、フィッシャーは頑としてはねつけ、データを改竄していると研究の第一線にいる者たちを責め立てた。その姿に多くの統計学者は途方に暮れた。

 残念なのは訳が手堅すぎてこなれていない印象を受けること。しかし、内容のおもしろさには何の関係もないだろうが。