今月のTREE(21:2)には、"Conservation physiology"(保全生理学)なるものが表紙にデカデカと載っていて、昨今の生態学界の「なんでもあり」感を物語っているようだ。保全生理学の定義は"the study of physiological responses of organisms to human alteration of the environment that might cause or contribute to population declines"だそうだ。人間が生み出したストレスに対して野生生物がどう反応するかを生理学的に調べる、ということらしい。そういう試みはもちろんあるべきだが、別に名前を付ける必要も感じないし、ざっと読んでみたところあまりに対象範囲が広すぎてプロパガンダではないかという印象を持ってしまった。私がひねくれているせいだろうか。化学物質に関しては環境毒性学という分野が既にあると思う。
 
 もうひとつの記事が「勝ち組はなぜ勝ち続け、負け組はなぜ負け続けるのか(意訳)」という行動生態学の記事があって、こっちのほうがずっと面白そうだが、もう体力持たず。