警笛

昨日はふと思い立って、炎天下の中を五台山に登って汗だくになった。
竹林寺へ通じる遍路道は、なんと牧○植物園の園内に出る。
だから本当のことをいえば、ちょっと歩けばこの植物園はタダで入れるのである。
昨日は休館日だったのか、だれもいない静まりかえった園内をてくてく歩いた。
道に迷ってしまい、結局、竹林寺にはたどり着けなかった。
遍路道を歩いているはずなのに、園内に戻ってしまう。
しかたなく、堂々と正門から出ることにした。

正門は閉まっている。こういうのを内側から見るのも味わいだ。
隙間を抜けて出てきた。
このまま山を降りて電車で帰ってもいいのだが、5時半だというのにものすごい暑さで、汗がとめどなく噴き出してくる。
たまらず、妻に車で迎えにきてもらった。

あらためて、クーラーが効いた車は快適だとわかった。
山道を降りるとき、前に一台の車がいた。
妻はその車にさかんにクラクションを鳴らして煽る。
僕は驚いて、なんで鳴らすのかと言った。
だって、あれ。
指さした先には

そうか。
彼女は、いままで前に車があろうとなかろうと、このマークがあるところではかならずブーブー鳴らしていたのか。
まあ、律儀といえなくもない。
そう思うと、その前の車には多少同情せずにはおれない。

まあいいかと思い、そのまま鳴らさせておいた。
たしかに正しい。
気のすむまで鳴らすといいさ。
いままで前の車が黒塗りのベンツとかでなくてよかったよな。
まあベンツはこんな山道にはこないか。