読売:企業の研究職社員、学士の3割期待外れ…文科省調査
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071030i304.htm
 
元資料はおそらくこれでしょう。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/10/07102312.htm
(これ、グラフのまとめかたが逆で、各種の会社について「期待を上回る」「ほぼ期待どおり」「期待を下回る」「わからない」の比率を示すべきです。このリバースのおかげでだいぶ見にくいグラフです。記者様も苦労されたでしょう)。
 
記事の中:

 一方、「期待はずれ」とした企業の割合は、学士で最も多く31%にのぼった。修士では26%、博士15%、ポスドク8%で、学歴が上がるほど低くなった。

博士様、先はきっと明るいよ。
 
・・・なんて喜ぶのは早い。なぜこの記事には「期待どおり」の割合がないのだろうか。
 
 元資料をよく見てみると、「期待を上回る」+「ほぼ期待どおり」の種別は、会社全体をプールすると:

学士:1 + 59.6 = 60.6 %
修士:1.4 + 64.5 = 65.9 %
博士:2.6 + 60.5 = 63.1 %
ポスドク:2.2 + 55.9 = 58.1 %

博士様、残念でした。多数を占める「ほぼ期待どおり」を無視した結果があの記事である。ポスドクでは5ポイントも急落してますね。そして、博士・ポスドクでは「期待はずれ」が減った分、「わからない」がなぜか20%以上と急増する。これらの層で「わからない」がなぜ多いのか?
 
 そして、「研究開発者等の増減見込み」で、博士・ポスドクの場合、「変化なし」+「減少する」で90%以上である(ただし、博士では「増加する」も7.7% もある)
 
 結局、あまりこういうパーセンテージの比較はしょせん数遊び、あてにならんものであるから、自分なりに進路を考える必要があるのは当然ちゃあ当然なんですが。
 
(この資料の解釈についてはもう少し書くかも。よく読み取れない。そういえば公務員試験の判断推理と資料解釈はとても苦手だった。)