さっぱり

前のクレカ紛失騒ぎのときに自宅のwi-fi が料金未納になっていたらしくアクセスを止められてしまい、あと一か月はつらい状態だ。標本整理でもして心を落ち着けるしかない。執筆は相変わらず一歩一歩の状態で、全く進んでいる気がしない。過度の完璧主義が全てを台無しにしているようだ。もっとおおらかに生きたいけど、ひとつ悪いとみんな悪いほうに転がるのも真実なわけで。囲碁のレートも400くらい下がった。勝負事はダメだ全然。テクじゃなく気力の問題。

特効薬はアクセプトのみか。だけど、投稿できていないんだから話にならない。

部屋の中では思考は行ったり来たりなので、新緑を眺めているほうがいいだろう。こういうときの解決の糸口は向こうから来たりするものだ。

 

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アケビの花、カナメモチの新芽

2020/03/28、芸西村

だからどんな検査やねんて

(医療方面は素人なので見当違いだったらごめんなさい)

 

マスコミではPCR検査、PCR検査と騒ぎながら肝心の検査の内容がさっぱり出てこないから自分で調べることにした。それはあっさり見つかった。

(国感研、PDFファイル)

https://www.niid.go.jp/niid/ja/labo-manual.html#class0

 

要するにキアゲンなどのキットでウィルスのRNAをcDNAに逆転写し、特異的プライマーを使って2箇所の目的領域(ORF1a、spike)の増幅を見るらしい。

 リアルタイム1ステップとか2ステップって何かと思ったら、cDNAを保存するかどうか(1ステップは保存しないが迅速)という違いがあるそうだ。なるほど。

 

p. 8 5)の

・・・各施設における1 例目の検出においては、シークエンス解析を行う事を推奨する。増幅産物から2019-nCoV 配列が確認されれば2例目からはシークエンス解析を行わなくてもよい。 ・・・

という記述は少し気になるところである。推奨という表現はさておき、同一施設内から得た最初の検体は慎重に検査し、シーケンスで「本物」と確かめられたら、二番目の検体からはバンド増幅があるだけでコロナとみなすということらしい。統計学でいう第一種の過誤の危険を大きめにとっているわけですね。シーケンスは面倒だし高いからこちらのほうが簡便だけど、「うっかり陽性」の危険はなくもないように見える。

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(p.4 の図)

 

 あと、個人的な経験ではPCRでは不思議なバンドパターンが出ることもあるので、このとき現場でどう判断するのかは謎である。

 

 マニュアルを一読した感じ、これは大変な作業だと思う。患者の方もつらいだろうが、検査する方の苦労も忍ばれる。一般に研究所の検査室にそんなに研究員や技官はいない。たいてい少人数で対応している。すぐには人数を増やせないから、しばらくはこの状態が続くだろう。

 

 マスコミも無責任にPCR, PCRと連呼するのをやめてほしい。だいたい、とりあえず検査してどうしようというのだろう。なんかビジョンがあるのならよいが、そうでないならただ疑心暗鬼になるだけじゃないか。といってもワイドショーではどうせしばらくたったら掌返しのようなことを司会者が言い出して、コメンテータが風見鶏のような発言を繰り返すのだろう。歴史というほどでもない歴史が繰り返す。

 

 そういえばこの前、血液検査に病院に行ったら待合がスカスカだった。コロナの影響かもしれない。なんという本末転倒。

 

(追記)

少し熱くなってしまったので、その時刻は過ぎましたが3.11の犠牲者に黙祷を捧げました。

 

(追記2)

ソフバンの社長が独自に無償検査(?)をするそうだが、やるならせめて大量のポスドクを雇ってあげてほしいものだ。人件費を抑えてキットだけ準備したらブラックだ。いや、よく読んだら簡易キットということはバラマキか?いやー、パニックな未来しか見えない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-00050198-yom-bus_all

 

銀河鉄道の終わり

別役実が亡くなったらしい。私もそれほど芝居を観るほうではないが、寺山修司とセットでなぜか記憶に残っている。大学時代はまだ僕も青かった。

一番記憶に残っているのはアニメの『銀河鉄道の夜』である。いつ見たのが最初だろう。カンパネルラがいなくなるシーンは本当に寂しかった。

細野晴臣の音楽もほぼ覚えている。あの映像にあの音楽は完璧なマッチングじゃなかっただろうか。

さようなら。

ベルタランフィー方程式の覚書

魚の成長曲線の式はすぐ忘れるし、あまりいい資料がないのでメモする。覚書なので導出は専門の資料を見てください。

 

W:体重量、a, b > 0を定数として

 \frac{dW}{dt} = aW^{2/3} - bW 

この式を移項して

 \frac{dW}{dt} + bW = aW^{2/3}  (1)

これはベルヌーイ型の微分式で、

 u = W^{1-2/3} = W^{1/3}

とおくとうまくいくことがわかっている。

u は重量の三乗根だから体長と見なせる。つまり、最初の式の第一項は体重の成長が消化管の面積(u^2)に比例し、第二項は採餌の際のエネルギーロスが体重(u^3)に比例することを示す。

(ちょっと仮定に違和感があるが、とりあえず納得しておく。体表からエネルギーを摂取する生物では最初の項は体表面積を表しているともいえそうである。)

 

 \displaystyle{ \frac{du}{dt} = \frac{du}{dW} \frac{dW}{dt} = \frac{1}{3} W^{-2/3} \frac{dW}{dt} }

移項して

 \displaystyle{ \frac{dW}{dt} = 3 W^{2/3} \frac{du}{dt}  = 3u^2\frac{du}{dt}}

 

これを(1)に代入して

 \displaystyle{ 3 u^2 \frac{du}{dt} + bu^3 = au^2 }

両辺3u^2で割って

 \displaystyle{ \frac{du}{dt} + \frac{b}{3}u = \frac{a}{3}}

 \displaystyle{ \frac{du}{dt} = \frac{1}{3} (a-bu) }

 \displaystyle{ \int\frac{du}{a-bu} = \frac{1}{3} \int dt }

 \displaystyle{ -\frac{1}{b}ln(a-bu) = \frac{1}{3}t+C}(定数Cは以降、随時新しいものに置き換える)

 \displaystyle{ ln(a-bu) = -\frac{b}{3}t+C}   

指数をとって

 \displaystyle{ a-bu = Cexp(-\frac{b}{3}t )} 

移項して整理

 \displaystyle{ u = \frac{a}{b} (1 - Cexp(-\frac{b}{3}t ) )}   

t = 0 のとき u = 0 とすると、C = 1

 \displaystyle{ u = \frac{a}{b} (1 - exp(-\frac{b}{3}t ) )}   

 t が無限大のとき u → a/b なので、a/b を L∞ として以下のようにも書ける。

 \displaystyle{ u = L_{\infty} (1 - exp(-\frac{b}{3}t ) )}   

この曲線は変曲点をもたず、上に凸の曲線となり一定値に漸近する。

 

つねに  u = W^{1/3}  の関係があるので、重量の式に直すと

 \displaystyle{ W = W_{\infty} (1 - exp(-\frac{b}{3}t ))^3 }   

これは変曲点を持ち、S字型になるらしい(これはまだ確かめていない。しかし最初の式を微分して二次導関数を見ればわかりそうである)。体長と体重で曲線の形が違うのは不思議である。

 

式の形に比べて意外と導出は難しい!あまり本に書いていないのもわかる気がする。

 

 

 

 

 

 

 

私を使うな?

 ヤ○ー知恵袋で「論文の一人称は"私"でいいですか?」という趣旨の質問に対して、「論文で"私"を使うな。論文は客観性だ。お前の意見は求めてないから主観的な表現を一切使うな」というやや高圧的な意見を目にした。

 このアドバイスにはまったく賛成できない。分野によって違うのかもしれないが、うちの研究室では自分が観察したものや意見については、どんどん「私」や「筆者」を使ってよい。まったく問題ない。

私はこの現象についてこう考える。

といえばいいところを、わざわざ

この現象についてはこう考えられる。

と書いて、かえって誰がそう考えているのか曖昧になることがある。おそらく古い文献の表現を真似ているのだが、私は主語が明確なほうがよいと考える

 この最後のアンダーラインを

主語が明確なほうがよいと考えられる

に変えると、その「考え」が一般論なのか私の持論なのか少し曖昧になる。初稿段階の「・・・と考えられる」の多くは意味がなく、削除可能であると考えられる。

 私の記憶では、一人称の問題については『理科系の作文技術』(木下是雄、中公新書)でも同じようなことが議論されていたはずである。

 

 一応言っておくと、全ての文を「私は」で始めろという意味ではなく、どんな表現であれ意味が明瞭なら何の問題もないと思う。とはいえ、実際の原稿はなかなか教科書どおりにはいかないから難しい。

 

 

・・・にしても、なんであの知恵袋はあんなに高圧的なんだろう。相手がどんな分野かも知らないのに。

買い占めゲーム

コロナに関係ないトイレットペーパーを買い占めるのはさすがにナンセンスだと思う。でも、買い占めに行列するのは一概に浅ましいともいえない。限られた量のペーパーの買い占めが起きている、という情報がワイドショーやニュースを通じて集団に行き渡った状態では、(正しく理解して)買わないという選択肢はむしろ愚かになりうる。周辺住民の出方はわからないから、もしだれかに近所中で買い占めたら目もあてられない。カミがないなら自分でウンをつかむしかない。よって、凡人は枯渇する前に店頭の行列に並んで、不本意ながら必要以上のペーパーを買わざるをえない。これは”共有地の悲劇”と似た問題で、共有資源の取り合いでは個人の利得が最適化されないというジレンマを生み出す。もし当初誤解していた人が買い占めをやめたら、買い占めはおさまるのだろうか?しばらく続くと思う。

社会的な買い占めはゲーム理論で解析するのだろうが、生物学の状況とは少し異なるだろう。やさしいセミナーがあればぜひ解説を聞きたい。

狂乱の域

全国一斉休校とは狂乱の域に達してしまった感がある。個人的には政府のアリバイ作りと思っているが、個人であらがっても詮無きこと、しかたがないと受け入れるしかないだろう。

 で、これで収束に向かうかというと多分無理で、しばらく患者は増え続けるだろう。感染症の動態を予測する有名なSIRモデルは次のようなもの。

 \displaystyle \frac{dS}{dt} = - bSI

 \displaystyle \frac{dI}{dt} = bSI - rI

 \displaystyle \frac{dR}{dt} = rI

 S, I, R はそれぞれ健常者、感染者、回復者(抵抗性つき)の人数。b, r, S, I > 0

感染者数Iを最大化するには第2式 = 0となることが必要で、

 (bS - r)I = 0

I > 0 なので、

 S = \displaystyle \frac{r}{b}

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なお、SとIの関係式は式1,2から、

 \displaystyle \frac{dS}{dI} = \frac{dS/dt}{dI/dt} = \frac{- bSI}{bSI - rI}

から算出できる。この右辺はIが約分されてSの式だから、変数分離形となりI=f(S)の形で解けて上図の曲線の式が得られる。

 

感染者数がピーク(S*=r/b)となるまで時間の計算は、式1にIを代入すれば一応t-Sの関係は出るようだ。病的な積分であるが t = g(S)の形にはできそうである?

所要時間は g(S*)-g(S0).

ただしS0は初期値。

まともな解になる気がしない。

 

(継続審議, 2/29)

 

(追記 2020-04-02)

いろいろ調べたが、ピーク時間となるtは代数的には簡単には求められないようだ。 

 

事態は私が思ったよりも緊迫してきた。上記モデルの b, r のパラメータは簡単には求まらない。下記リンク(英語)にソフトウェア・エンジニアの方が各国の動態をシミュレートしてくれたのでそれを参考にすると、各国について2つのシナリオ(推定法)が示されている。いずれにしても、日本ではこのあとズルズルと数千規模にまで感染者数は増えていくようだ。この傾向は、しばらくは増え続けていくという本ブログの直感に合うようである(ただし、微分式はちょっとしたパラメータでガラリと数字が変わるので、いい方向に変化してもらいたい)。

 いずれのシナリオでも半年間の回復者(R)は一万人の規模に達しており、これは驚くべき数字である。SIRモデルは保菌者や死亡を考慮に入れていないが、今後のどのような経過をたどるのか注視していきたい。上記に関して勘違いがあったらコメントをいただきたい。

https://www.lewuathe.com/covid-19-dynamics-with-sir-model.html

 

SIRのシミュレーションはこちらの計算サイトも参考にしました。

http://www.public.asu.edu/~hnesse/classes/sir.html 

 

 

 

 

 

 

 

キャンセル

学会もキャンセルとなったので、同じ地に家族旅行で行くことにした。いまや、どこの宿もスカスカだろうが、改めて探すのも面倒なので同じ所を一回キャンセルして取り直した。格安予約の場合は手付金は総取りになるんだけど、電話で「コロナが…」って言ってみたら特別にキャンセル無料になった。そういうわけで、コロナが原因の場合は交渉してみる余地があるようだ。

 

カップ焼きそば食いたい(無理)

昨日に引き続き、寝床とトイレの絶望的往復。そのリズムはいくつかの波長が組み合わさって生まれているようにも感じた。なのでフーリエ級数で解析したら以外と面白い結果になると思うが、こんな妄想的なデータとりに協力してくれる人はまずいない。

しかしというか、みんな体験談は語りたいらしく、意外とおもしろいリソースもちらほらある。

誰でもよくかかる病気で、かつ地獄を味わい、予後はよい

というのがクスと笑える要素だろうか。

 

 

あとは一日中スマホでようつべ開いて将棋とか囲碁をみる。美術作品を題材にした「びじゅチューン!」のアニメが最近のお気に入り。

 

一番人気は

フェルメールの名画に新解釈

“何にでも牛乳を注ぐ女”

 

武蔵の鯨退治の真相を暴いた

“武蔵の遅刻理由”

 

出オチ感と、あとこれまでみた中では一番狂ってる

“見返りすぎてほぼドリル”

 

会社にモナリザがいる

“お局のモナリザさん”

 

メルヘンチックな

“アルルの訳あり物件”

 

そして最近のブームはマチスの絵の珍解釈

“ダンス寿司”

 

その他多数。貼りたいが残念ながらスマホアプリではできない。どれも1-2分なので興味があったらぜひ。多少の精神安定になるかもしれない。

 

これよりレベルの高いものは全く頭が受け付けない。

 

退屈の極み乙女

数日前の晩酌のあと、突然激しい嘔吐🤮と下痢が続き、寒気で手が震えてスマホもまともに持てない状態に。それから昨日もずっと調子が悪く、今朝方はフラフラだった。

 

今日はうちの修論生の晴れの舞台だったのだが、万全でなくて申し訳なかった。お疲れ様。お互いよく頑張った。ただ副査が指摘したように分析結果だけじゃなく途中の泥臭い過程を示したほうがよかったね(ドロバチだけに...やばいかなこういうの)。

 

しかし運気ってものがあるのか、狭い道沿いの医院の駐車場に停めるとき、なんでもないところで車🚗を縁石に擦ってしまい、バンパーが外れかけてしまった。また痛い出費になりそうだ。

 

診断はやはり胃腸炎

いまも布団の中でほとんど動けず退屈な時間。Youtubeにも飽き、本も読めず、キャンセルした打ち上げ会に思いをめぐらす。ただ、出席しても唐揚げ並べられたら吐き気がするんで今日は勘弁してほしい。卒論修論お疲れ様でした。