だからどんな検査やねんて

(医療方面は素人なので見当違いだったらごめんなさい)

 

マスコミではPCR検査、PCR検査と騒ぎながら肝心の検査の内容がさっぱり出てこないから自分で調べることにした。それはあっさり見つかった。

(国感研、PDFファイル)

https://www.niid.go.jp/niid/ja/labo-manual.html#class0

 

要するにキアゲンなどのキットでウィルスのRNAをcDNAに逆転写し、特異的プライマーを使って2箇所の目的領域(ORF1a、spike)の増幅を見るらしい。

 リアルタイム1ステップとか2ステップって何かと思ったら、cDNAを保存するかどうか(1ステップは保存しないが迅速)という違いがあるそうだ。なるほど。

 

p. 8 5)の

・・・各施設における1 例目の検出においては、シークエンス解析を行う事を推奨する。増幅産物から2019-nCoV 配列が確認されれば2例目からはシークエンス解析を行わなくてもよい。 ・・・

という記述は少し気になるところである。推奨という表現はさておき、同一施設内から得た最初の検体は慎重に検査し、シーケンスで「本物」と確かめられたら、二番目の検体からはバンド増幅があるだけでコロナとみなすということらしい。統計学でいう第一種の過誤の危険を大きめにとっているわけですね。シーケンスは面倒だし高いからこちらのほうが簡便だけど、「うっかり陽性」の危険はなくもないように見える。

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(p.4 の図)

 

 あと、個人的な経験ではPCRでは不思議なバンドパターンが出ることもあるので、このとき現場でどう判断するのかは謎である。

 

 マニュアルを一読した感じ、これは大変な作業だと思う。患者の方もつらいだろうが、検査する方の苦労も忍ばれる。一般に研究所の検査室にそんなに研究員や技官はいない。たいてい少人数で対応している。すぐには人数を増やせないから、しばらくはこの状態が続くだろう。

 

 マスコミも無責任にPCR, PCRと連呼するのをやめてほしい。だいたい、とりあえず検査してどうしようというのだろう。なんかビジョンがあるのならよいが、そうでないならただ疑心暗鬼になるだけじゃないか。といってもワイドショーではどうせしばらくたったら掌返しのようなことを司会者が言い出して、コメンテータが風見鶏のような発言を繰り返すのだろう。歴史というほどでもない歴史が繰り返す。

 

 そういえばこの前、血液検査に病院に行ったら待合がスカスカだった。コロナの影響かもしれない。なんという本末転倒。

 

(追記)

少し熱くなってしまったので、その時刻は過ぎましたが3.11の犠牲者に黙祷を捧げました。

 

(追記2)

ソフバンの社長が独自に無償検査(?)をするそうだが、やるならせめて大量のポスドクを雇ってあげてほしいものだ。人件費を抑えてキットだけ準備したらブラックだ。いや、よく読んだら簡易キットということはバラマキか?いやー、パニックな未来しか見えない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200311-00050198-yom-bus_all