メモ「


Kin selection is the key to altruism

Foster K. R. et al. TREE 21:57-60 (2006)
 この当たり前に見える標題は、E.O.Wilson & ヘルドブラのPNAS論文(2005, 102:13367-13371)を批判したもの。Wilson & ヘルドブラ(2005)は、群選択こそが真社会性の進化を駆動するものであり、血縁選択はその結果にすぎないという説を提出している。著者はこれを「よくある間違いですね」とバッサリいっている。著者は、Wilson自身が『社会生物学』の中で「自身の適応度を下げる利他性がどうやって進化したのだろうか。その答えは血縁である。」とした部分を引用して皮肉っている。
 残念ながら社会生物学に関しては(も)不勉強なので、内容に関してはきちんと紹介できない。しかし、共同(cooperation)と利他(altruism)の混同に加え、血縁淘汰と群淘汰が定義上明確に分けられないことが混乱を生んでいるようである。