大日本天狗党絵詞(だいにっぽんてんぐとうえことば)

 今日は梅雨でだるかったので家で寝てた。買い置きしておいた天狗漫画を読む。この漫画は院生時代にお茶部屋の書棚においてあったもの。十数年ぶりに読むのは新装版。

 主人公シノブは、小学校の入学式のとき疎外感から校庭に逃げ出し、桜の木の下で天狗の師匠と出会い、天狗になる。(この時点でまともな感性を持った読者は読むのをやめるかも)。邪眼の使い手で、師匠の天敵である大学教授は変態で、シノブについて秘密を隠し持っていた。家族を離れて天狗として生きるシノブの思い。抑圧されていた天狗たちの政党の結成・隆盛と崩壊までのスペクタクル。しのぶとの出会いと別れ。そもそも天狗とはなんぞやという深い問いを残し、最後には不思議な余韻を残すラストシーンが用意されている。
 ・・・よくわからないかもしれないが、よくわからない(ちょっとイカれてる)漫画だからしかたない。

 この連載は1994-1996年ころらしい。それはつまり、地震であり、オウムであり、酒鬼薔薇のちょっと前だった。あとがきの漫画にもオウムのことがすこし触れられている。
 つまり、この漫画が描かれたのはそーゆー時代だったんだなな、と思うと感慨深い。もうそんなになるのか。


 この漫画を見ると思い出すゲームがあるんだが、それはまた別に書こう。