回転寿司

以前にも書いたが、この地にはベルトコンベアにほとんど皿が乗っていない回転寿司屋が数多く存在する。
海沿いの街だというのにネタがしなびきっている。
黒潮の恵みをまったく生かしていないラインナップ。
都会なら確実にselect againstされてしまうだろう。

なのになぜか行ってしまう私がいるのである。
常連数人だけの空間に私がいる不安定さ。
私一人に三人くらいの店員が次々声をかけてくるバランスの悪さ。気まずさ。
毎回、もう来ないと思う切なさ。
それでも来てしまう愚かしさ。
そういうのをひっくるめて噛み締めるのがいいものかもしれない。
自分でもよくわからない。

今日は土砂降りだったが、ネタはとりわけしなびていた。
しゃりの上でイカが縮み上がって反り返っている。
パサパサで喉が渇く。
味気ない。
こういうのはワサビを効かせてお茶で流し込むしかない。
「サビ多めで」
と注文したら
ワサビだけ両手でこんもり盛ってきた。

「お勘定お願いします」と言うと
職人さんが
「すみません・・・」
と謝る。

なんだこの寿司屋は。



またこよう。