用事がすんだ後、僕の希望で(相当迷った)、近くにあるハンセン病の施設を見学させてもらった。すでに塀などはなく、出入りも自由である。往年の政策のあとはわずかに残された建造物とその解説で知ることができるのみである。施設の外装は僕が想像したよりずっと新しかった。敷地は広かったが、規則的に並んだ住居が埋まっているとすれば狭すぎる(何十年も園内で住んでいることを思う)。スーパーや公衆浴場もあり、当然ながら園内ですべて用が足りるようになっていることに改めて気づく。住居数に比して人影はまばら。手押し車に押された入居者が数人見えるのみだった。隣接するグラウンドでは高校野球をやっている。