生態学会誌で齋藤隆さんが、宮地賞の選考方法に関して疑念を唱えている。今の選考方法では野外生態を研究する者は報われないという趣旨。実験屋と数で勝負したら明らかに遅れをとる。だから論文数を評価する今の風潮ではみんな数理モデルと室内実験に向かい、野外生態の研究は衰退するだろう。もっともこれはアメリカでも同じような感じで、長年の野外生態の研究は資金のメドがたたなくなっているところもあるらしい(吉村仁さん・談)。こうなるとClutton-Brockみたいにひとつの材料を扱うチームを組むしかないのか。興味ある人はぜひ一読を。
 最近の生態学会誌は焦点が絞りこまれていて面白くなったと感じている。今後も期待したい。