メモ

What sets the odds of winning and losing?
TREE (2006) 21:16-21
 動物が闘争を行う場合、ある回の勝者は次の回にも勝者となりやすく(winner effect)、敗者は再び敗者となりやすい(loser effect)。
 この効果が適応的であるとする仮説として"social-cue hypothesis"と"self-assesment hypothesis"がある。前者は、相手の様子(化学物質,傷)などから相手の力(∝戦績)にたいする情報が得られるので、各個体がそれを感知して戦法を決定している結果、このような効果が見られるとする。たとえばエビなどでは闘争の勝者は特有の化学物質を放っており、相手はそれを感知して逃げるという。
 後者の仮説は、相手から何ら情報が得られなくても、自分の戦績から最適な戦法を(ベイズ的に?)決定する結果、このような効果が見られるというもの。これは賢明な読者の推察どおり(偉そう?)、ゲーム理論で解析されているそうだ。
 これらの仮説に加え、闘争に勝った者は良好な資源(たとえば餌)を得られるので、次の闘争において有利になると状況などが考えられる。また、適応的ではなく単に生理的制約であるとする主張もある。