文献メモ

DIRECT AND CORRELATED RESPONSES TO ARTIFICIAL SELECTION ON ACUTE THERMAL STRESS TOLERANCE IN A LIVEBEARING FISH
Evolution Volume: 54 Issue: 1 Pages: 238-244

 低温耐性と高温耐性にトレードオフがあるかどうか。また、その他の生活史形質とは遺伝相関があるか。これらが進化の制約として働くか。これらは重要な問題なのだが、真っ正面から取り組もうという人は少ない。
 この研究では2個体群のカダヤシを用いて、低温耐性と高温耐性をそれぞれ人為選抜をして耐性がどう変化するか(実現遺伝率)、また他方の環境における耐性がどう間接的に反応したか(遺伝相関)を調べ、これらの間のトレードオフが進化の制約として働くかどうかを検討した。
 
 結論として、「いずれの個体群でも、高温耐性、低温耐性とも人為選抜の効果がなく、遺伝率も検出されませんでした。だから遺伝相関もへったくれもなくて、イントロで述べたことに関しては何もわかりません。」という、思い切った開き直り。これでEvolution。ううむ。ネガティブでも書いてみるものですね。