面妖! 30メートルの湖底で越冬するコオロギ

 新潟県ダム湖は毎年夏に人為的に干上がらせられる(文法あってる?)。そこに数種類のコオロギが繁殖しているらしい。驚くべきことに、このダム湖は30メートルの水深がある。その下で越冬していることは、簡単な実験の結果からみても間違いなさそうだ。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kagaku/env/ikimono/news/20040705ddm016070095000c.html

 もし一年中湖底に沈んでいたら、ずっと発育しないままになるのだろうか?少なくともそういう状態になる年があれば、1年以上休眠するような性質が選択上有利になるだろう。実際1年以上休眠する虫は珍しくないので(prolonged diapause)、そのような変異が起こることも考えられる。もし、1年中水没している年と夏場に乾燥する年がランダムに訪れるとしたら、翌年の春に休眠覚醒する個体と1年待つ個体を産み分けるのが適応的になるだろう。こういうのはbet-hedging仮説を検証するための極めていい材料になりそうだ。それに古典的なCohenの予想*1も検証できそうだ。

*1:1966年の論文。個体群増殖モデルを用いて「年一化の植物の最適な休眠率は、繁殖できない不適な冬が来る確率に等しい」ことを理論的に提唱。