国際学会

 ほぼ間違いなくパニック障害を発症してからの国際線乗り継ぎは想像通り地獄のようだったが、それでもトルコの赤い岩と青い海は美しく、身銭を切って来たかいがあったというものだ。(カケンヒよな)

 私の発表内容は観察写真を垂れ流すという単純きわまりないものにしたが、話す人がきちんと話せば意味のある内容だと自負している。会場でも自信満々に発表している人の話はやはり面白く感じる。私にそれができるかどうか。やるっきゃない(古)。

 自分のことは棚に上げて、少々きつい言い方になるが、発表の何割かは総花的で面白くない結論になってしまっているように感じた。もう少し踏み込んでもいいのではないかと思う大会である。

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なんとなくこんな感じ。

 

 ヨメは神戸に軽自動車で向かおうとして徳島で足止めになったらしい。台風の中で白浜観光をした私を笑えないぞ。

 

itokatsura.hatenablog.com

根絶失敗

助け合い行動は種の保護のためには進化しないという話を講義でしたのだが、時間が余りそうだったので、ついマルチレベル選択の話もしてしまったものだから、試験では

「群選択は今も生きているんですね」
「血縁度が古い考えだということがわかりました」

みたいな答案が増えてしまった。

余計なことを言わなければよかった。

 

「群淘汰は確実にデッドです。それについて考えることは絶対的タブーなので、考えてはいけません。死者を掘り起こしてアンデッドとし、生物社会の統一神に仕立てようとする原理的狂信的過激派、それこそがマルチレベル選択主義者なのです。」

 

と言わなければならなかったのだ(本当か?)。

 

まあそれは冗談ですが、なぜ群淘汰が成立しない(少なくとも、相当にしづらい)のかを説明するのは意外と難しくて、私自身もマルチレベル選択も理屈が多くていまひとつ理解できていないので、もう少し勉強します。

 

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8月の仁淀川



それにしても暑いですね。

 

 

 

混乱中

世の中には簡単に見えて難しい問題が地雷のごとくあり、これにうっかり手を突っ込むと大やけどをする。フェルマ予想はその最たるものだろう。有限の時間の中で自分が解ける問題を探し当てるのが大事だが、その感覚は勉強して身につくものではないように思う。その道のプロはそれらをたくみにかわす。たぶん自分はその勘どころがあまり良くないのだが、自ら最適解を導けないのがもどかしい。暑い。

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構内の群落 2018/07/21

こうむいん

学生の進路を聞くと本当に公務員志望が多い。そのうち公務員だらけになって会社で働く人がいなくなり、ギリシャのように破綻するんじゃないかと憂う。バブルのころは考えられなかったことだろう。

 

それはそうと、学生と話していて山登りもまたしたくなってきちゃったよ。

しみじみ山道をひとり登るのが楽しいよね。"孤独のグルメ"の登山版みたいなのがいいかなと。ときどき動画配信で山登りの動画を見ています。

最近山に行くと人が多いよね。あまり整備されているのは好きじゃないなあ。

 

ナナフシ取材

取材は初めてだったので緊張しました。

テンションがダダ低くて申し訳なかったですが、おかげで地方紙ならではのいい記事にしてもらいました。 

ナナフシ食われ子孫繁栄!? 高知大チームが米国の学術誌発表|高知新聞

その他、国内外のwebサイトやSNSなどでも多数紹介してもらいました。共著者の方々ともども、誠にありがとうございます。

 

元論文はこちら

https://esajournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/ecy.2230

内容はあちこちで紹介されているので割愛します。評価の声がある一方、木の枝のカムフラージュで鳥から防衛しながら、鳥を利用して分散するというのがイメージしにくいという指摘をいくつか頂いています。もしステージによって防衛戦略が違っていたら面白いですが、まだその前にも解決しなければいけないことがいろいろありそうです。

 いずれにせよ、これを機会にナナフシに興味を持つ人が増えれば嬉しいです(直翅類の中でもナナフシの文献は少ない……とくに日本産のものは)。

 

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 ともあれ、院生のF君の力が非常に大きかった研究でした(当初は成果が出るかどうか半信半疑でしたが、結果は立派でした)。次は自分の実験材料で取材を受けたいですね。

 

先日

倒れました(汗)。仕事に穴をあけてしまって本当にすみません。このところ快調だったので油断していました。

 

出産イベントもあり、半年以上通院をさぼって服薬していなかったのがいけなかったみたいです。思えば小さな不安発作も増えていたし、3月の学会のテンションもちょっと変だったかもしれません(その節はご迷惑をおかけしました)。

 

いまは順調に回復してきており近日復帰予定ですが、皆さんもお気をつけくださいね。

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本当にやっかいな、長い付き合いです。

 

平均値

無事に出産できたことを大変感謝している一方で、新生児を平均値に近づけようとする医療関係者の圧力がすごいことを日々実感している。正直、これにはあまり感謝できない。

 

一回に与えるミルクが 20 ml 多いとか、

一日で見ると〇〇 ml 多いとか、

体重が平均値より〇〇g 多い、あるいは少ないとかね。

 

慎重に言葉を選べば、馬鹿、なんじゃないかな、と思う。

ただの愚痴になるのでこれ以上言うのはよすけど、表現型値が平均から1σか2σ程度しか離れていないお子さんを持つお母さんがたを混乱させるようなことはやめたほうがいいと思う。

  

なろうと思えば多分なれたけど、医者にならなくて本当によかったと思っている。向いてない。

 

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(再掲)

 

 追記:

ただし、医療統計には舌を巻いた。

エコーで胎児の形態形質を何か所か測定して、「あなたの子供は〇月〇日に〇gで生まれますよ」と言われて、ほぼそのとおりになったときは感激した。どういう予測モデルなんだろう。

ちなみに私の計算では、子供は 48 kgで生まれるはずだった。おそらくどこかで間違えたのだろう。