なにもしないII

そういえば昔やったゲームに「大戦略」もあった。
自分が司令官になって軍隊を操り相手の基地を占領するゲームだ。 

わたしは安くて足の速い装甲車を大量に作り
ガンガン攻めるのが好きだった。
隘路に敵を誘い込み
相手の陣形が延びたところを叩くのが好きであった。
思えば暗い快感であった。

装甲車の産生に夢中になっている間に
いつのまにか敵兵に都市を占領され
資金力で逆転されるようになった。

奮発して買った戦車隊が相手の工兵ごときに粉砕されたときは発狂しそうになった。
相手は戦車やファルコンをがんがん作ってくるのに不公平だと思った。
そうしていつしか装甲車すら作れなくなっていった。
工兵と歩兵で戦車をおっぱらった武勲が唯一のなぐさめとなった。
末期になると歩兵でファルコンの大群に立ち向かわせた。
一発も命中せずに全滅した。


これがわたしの「大戦略」であった。
仕事の進捗状況を思うとき
わたしの戦略性はこのころからあまり変わっていないのではないかと思う。