今日だけで地域個体群の大切な液浸標本を3個体群ぐらい失った。その理由は永久標本を作ろうとしたから。作業の各行程でピペットから液滴を落としたりして徐々に個体数を失い、最後にマウントするプロセスに至って完璧にロストしたものと思われる。これならフツーに生体を簡易標本にしたほうがよっぽどマシだったというお話。大切に残そうと思ったら全部失うというのは皮肉な話である。一週間、いや、飼育期間も含めて一月くらい、たっぷり時間をかけてロストした標本。ある意味、人生より標本作りのほうが難しいのかもしれない。
 今後は酢酸フクシンで身もだえするほど染色することにした。これで虫体が見やすくなって歩留まりがだいぶ上がるだろう。高い授業料だった。