今回の応動昆会誌に、寄生蜂の性決定機構のレビューが載っていて、素人の私には大変参考になる内容。最近の仮説が要領よくまとめられていて、興味深く読ませてもらっている。寄生蜂もハダニも半数倍数性ということで共通しており、Wolbachia関連でヒメハダニの論文も引用されている。
 
 それより。私は巻末の書評のほうに目が釘付けになった。
 
マゴットセラピー―ウジを使った創傷治療
 
 NH先生、すごい本を訳されましたね。書評によると、「掲載された臨床写真は、心臓の弱い人や胃の弱い人には向かない」と前置きされているらしく、こういうことを言われると見たくなるのが人情である。ので、ネットで画像検索したら、ちょっと、これは発想の転換というか。なんといったらいいのか。
http://images.google.co.jp/images?sourceid=navclient-ff&ie=UTF-8&rlz=1B2GGGL_jaJP176&q=maggot%20therapy&oe=UTF-8&um=1&sa=N&tab=wi
 
 抗生物質が効かなくなった感染性潰瘍や糖尿病性の潰瘍などの患部に無菌性のウジを置くと、壊死した組織だけを食べてくれて、患部がきれいになって治癒を促進するという。しかも、抗生物質と併用できるらしい。たしかにすばらしい・・・のだろうか。蛹化の影響や、外部からのコンタミはどうなるのだろうか。
 ちょっととにかく、気になる一冊です。