猫舌

 私はカップ麺をつくるとき、少なめにお湯を注いでおき(麺にヒタヒタになる程度)、そのあと指定の高さまで水道水を注いでかきまぜる。こうすると猫舌の私にもちょうどよい熱さになるのだが、周囲の人からはきわめて評判が悪い。みんなと食事をしている際、私がやおら立ち上がってカップに水道水を注ぐとみんなの表情がこわばり、「なにをしているんですか!」「邪道だ」「心臓に悪い」だの言う。
 私の知り合いは熱湯を注いで10分待ち、汁がなくなったところを食べるのが好きだという。ひとそれぞれなのだ、と私が言うと、「そっちは理解できる」と言う。私には理解できない。理解しようとしてはいけないこともこの世にはあると思う。この問題はアメリカの対外政策と関係している。