8・20 (日)阿蘭陀3日目

  • さて、前記のようにヒマである。ので、研究室一同と、そらもうメッタクソ楽しみにしていた国立博物館ゴッホ美術館に行ったのであった。
  • なんと入り口は長蛇の列だ。
  • しかし、いきなりゴロゴロと雷鳴がとどろき、スコールになった。嵐の中1時間以上並んだ。"It's fine day!"と叫んだら外人に受けた。やはり私はどちらかというと芸術の人なのかもしれない。その直後、めちゃくちゃ近くに落雷。地震かと思った。天気は滞在中ずうっと悪かった。この季節はこういうもんだろうか。
  • 1時間半並んでようやく入り口についたときにはもう下着まで完璧にずぶぬれ。
  • レンブラント生誕300年だか400年だかで、街はレンブラント一色だ。この博物館もレンブラント一色。しかし、私は正直言ってあんまり感動しなかった。写実的すぎるのだろうか。っていうか、服がずぶぬれのせいで、もう寒くて寒くて。フェルメールのあの有名な、おばさんがなんや壺からダバダバっとミルクを注いでいる絵も、ガタガタ震えながら見たのだった
  • カフェでカニサンドとコーヒーを飲んでほっと一息だ。服もようやく乾いた。
  • 続いてゴッホ美術館。たった10年の創作活動ですさまじい量を作ったことに感動。彼の時代は3つに分かれる。オランダの伝統絵画の影響を受け、暗い写実的な絵を描いた時代。印象派の影響を受け、ひまわりや桜の明るい絵に目覚めた時代。そして最後に精神を病んでしまった時代。その変化はあまりに悲しすぎる。カラスが麦畑を飛んでいる、彼の有名な最後の絵は本当に泣ける。ガイド用のイヤホンを付けていたのだが、ゴッホの手紙の朗読が入り、火サスみたいな「ここで泣け」っていうBGMが流れたんで思わず涙ぐんでしまったのであった。
  • レンブラントゴッホも多作だ。やっぱり名を残すにはたくさん書くことが大事なんだなあ・・・と思った。
  • しかし感動もそこまで。特別展「日本」が全くいただけなかった。壺と絵とか、中国と完全にごっちゃになっている。龍の絵柄のタンスなんて完全に中国じゃん。
  • さらに、お土産コーナーでは、とても間違っている日本の絵はがきを売っていたのだ。昔、週刊誌でみうらじゅんが「カスハガ(カスみたいな絵ハガキ)の世界」という公募企画をやっていたが、それに出せば必ず採用されただろうと思う。東海道の現在、ということらしいが、大変まずい題材、まずい構図。僕はこういうのは大好きだ。なぜ僕はそれを買わなかったのだろう。また小銭をけちって大事な物を失ったのだ。

カスハガのサイト(出し惜しみ?)
http://hotwired.goo.ne.jp/event/myboom/boom/kasuha.html
 
*帰国後、とうとうこの写真家のサイトを見つけました。東海道を順にクリックして、弥次さん喜多さんの気分を味わってみてください。こんな絵はがきもらったらショックなんじゃないかと思うのですが・・・
http://www.guusrijven.com/eng/projects/tokaido/make-over.html
 

  • 晩ご飯のあと、発表原稿の手直し。リハなのに居酒屋クーポンのCMのサリエリのように緊張している。ボイレコで録音してみたらやっぱヘタクソだ。激しくアジアンテイストだ。少し原稿を直した。印刷したい。