三中さんの『系統樹思考の世界』読了。面白かった。歴史を扱うものは科学でない、という批判に対して、アブダクション(尤も良い説明)という基準に照らした新しい科学哲学が有効であるという説明がなされている。いままで自分がもやもやしていた部分を説明してくれたような気がした。系統樹がいろいろな学問を横断する言葉として使われていることにあらためて気付かされた(比較言語学ダーウィンのずっと前からあったというのは知らなかった)。いろんな方面にまたがった系統樹思考、分類思考、そしてネットワーク思考の関係(曼荼羅?)が勉強になった。
 なんといっても全体的にレトリックが豊富(過剰?)なのに圧倒された。「息をするように本を読む」ようになればこういう本が書けるのかもしれない。うらやましいです。