ふと思いついて、ダニの卵サイズを計ってみることにした(前に挫折している)。200倍で検鏡して、なんとか変異を取り出すことに成功した。予想とちょっと異なっており、産卵数と卵サイズにはあまり関係がなさそうだ。むしろ他の形質と相関しているように見える。まだ予備的な段階なのではっきりとはいえないが、ちょっと興味深いデータである。
 ハダニ卵の絶対的なサイズは直径0.2mm程度で小さいのだが、相対的に見ればメス成虫の体長の1/3。条件さえよければこの「大きな」卵を一日20個も産むのだから恐ろしい。まだ確かめた人はいないが、おそらく植物由来の物質を卵の中に含んでいるのではないか。だとすれば母ダニの餌によって子の表現型も変わる(母性効果)ではないか、と考えているのだが、どうもそれがうまく見えてこない。材料が悪いのだろうか。