文献メモ

Mappes, J, Marples, N & Endler, JA (2005) The complex business of survival by aposematism. Trends Ecol. Evol. 20, 598-603.
(内容)警告色の進化に関する有名なジレンマで、最初の警告色がなぜ食べられずに頻度を増すことができたのかという問題がある。このレビューでは、捕食者の行動の変異や被食者の好適性(profitability)の変異を考慮にいれた場合、このジレンマが解決しうるとしている。たとえば、警告色の種よりも他の餌種のほうが頻度が高い場合には、捕食者は戦略としてそちらのほうをメインに食べるので、その陰で警告色の種は頻度を増すことができるかもしれない(その過程で、さらに色をきつくして、毒を増強することができるかもしれない)。また、捕食者自身、新しい種を餌メニューに加えることをしにくい(wary)ので、やはり警告色の個体は頻度を増すことができるかもしれない。このような被食者の性質(色・味)と捕食者の行動におけるspatio-temporalな変異を考えることが、警告色の進化を考える上で重要である。