文献メモ


Kroon, A, Veenendaal, RL & Veerman, A (1997) Photoperiodic induction of diapause in the spider mite Tetranychus urticae: qualitative or quantitative time measurement? Physiological Entomology 22, 357-364.

 これも論文の補足用。ハダニの休眠誘導において、日長感受はどんなモデルで説明できるか、という内容。質的モデル(夜の長さが閾値より上か下かだけが重要)と量的モデル(夜の長さ自体が休眠誘導に重要)を仮定。
 卵から先、異なる長さの日長(夜長)条件に何サイクルかさらして、休眠誘導に必要なサイクル数を測る。そのときの日長(夜長)条件の違いで、休眠誘導に必要なサイクル数が変わるか、という実験。質的モデルなら、実験条件(夜長)に関わらず反応は変わらないはずだが、量的モデルなら夜長に比例して必要なサイクル数が変わるだろうと予測。
 結論は「日長条件によって休眠誘導に必要なサイクル数は変わるけど、その差は微々たるもので、基本的には質的モデルで説明できると思う。」という。ふーん。
 正直、内容はあまり興味なし。こういうアプローチって、日長サイクル数を「ある特定のステージ」だけに経験させることができないから、感受ステージの効果なのかサイクル数の効果なのかがわからないのが難点だろうなあ。クロバエとかでは幼虫を水に漬けて発育を止めることができるようだけど、ハダニではできるだろうか。小さいし、数を集めるのが大変そう。