ゼミ発表

 今日のゼミで博士論文のアウトラインを発表しました。発表前の段階では、我ながらなかなかまとまった話だとほくそえんでいたのですが、案の定というか、途中の質問を境にめろめろになってしまいました。これでは巨人の抑え陣を批判できませんね。ボイスレコーダで録音したのですが、聞き返すのが怖い、というか、まだそういう段階ではないというか。

 なぜめろめろになるのだろう、ということを考えてみましょう。めろめろになる理由として考えられるのは、発表内容に自信がもてないということでしょうか。しかし、雑談で教官と話しているときは、とうとうと説明できるのです。書くのも大丈夫です。ゼミになるとダメなのです。声が震えて手に汗をかきます。発表途中で理解できない質問がきたときが特に焦ります。いや、普段は理解できるのですが、ゼミ中に質問されると頭が真っ白になってしどろもどろになってしまうのです。ゼミ後に個人的に話をすると、割とすらすら出てくるのですが。「場数を踏めば治るよ、そんなもん」と以前みんなが言ってくれたのですが、まだ治っていません。昔よりはマシになっているのですが。今日もゼミ直後に、うまく答えられなかった質問の答えが手元のD論原稿にしっかり書いてあることを見つけました。発表の段で、意識からふっとんでしまっているのです。それでトンチンカンな答えばっかりします。それは実力だって?それをいっちゃあおしまいです。

 書いているのを読み返すと、やっぱり「あがり性」なんでしょうね。まあしかし、「あがり性」でも何でも、とにかく発表しなくてはならない。それが研究者の宿命でもあります。あと、「準備不足」の面はあると思います。ただ、その分を差し引いても、と思うのですが。
 対策として、やはり一言一句きっちり原稿を作って読み上げた方がよいのでしょうか。めろめろになるくらいならば、そのほうがいいかもしれない。ただし、みんな寝てしまうのは覚悟しなくてはならない。
 あるいは、ゼミ内容をあらかじめ人に聞かせるか。やはりリハーサルをしなくてはならない。うん、思えば最近は確かにリハを怠っていた面がある。リハを何回かやればよくなるかもしれません。次はリハをたっぷりしましょう。いや、よく考えればD発表の直前には死ぬほどやることになるでしょう。そのときは後輩につきあってもらいます。

 あまりに頼りない先輩と思ったのか、ゼミ後に後輩の院生と学部生がプレゼン内容について、一時間以上にわたってdiscussionにつきあってくれました。また、有益な(いくつかはcriticalな!)批判や指摘を受けました。そのうちいくつかはあまりにcriticalすぎて、議論の内容を全面的に変えなくてはいけないほどです。残念なのは、この内容はすでにpublishされているので、学問世界的には直しようがありません。こういう場合には「少し」責任を感じます(もちろん投稿していた時点では最高のものを出したと思っています)。

 救いとなるのは、学部生のYさんが「面白かった」と言ってくれて、実験デザインについて興味を持って質問してくれたことです。ということは、"completely ununderstandable(以前の査読コメント)"ではない、ということでした。これについては、素直に喜ぼうと思います。