講義最終日

 嶋田さんは遅刻してきた。原稿が書き上がらなかったそうな。
 
 カワラノギクの保全のための格子モデルを紹介していた。モデルのパラメータはいっぱいあったのだが、話としてはわかりやすかった(レズリー行列の植物版をなんとか行列というとは知らなかった。そのなんとかという名前はすでに忘れた)。
 結論として、保全のためには洪水による攪乱がランダムに起こることが重要で、そのためには普通の河川のように1本の水流の両側にせり上げるような土手を作るのではなく、広い河原に数本の水流を分散して流すようにするのがよいという結論だ。そのためには工事が必要で、政治的な介入も必要だということ。
 その他、短距離の分散頻度や長距離の分散頻度が重要で、推定する必要があるということ。前者はローテクにはかれるだろうが、後者は遺伝マーカー(マイクロサテライト・AFLPなど)が必要だろう、という結論。そうすればもっと現実的な保全プログラムに使えるだろう、とのこと。
 あと、メタ個体群と構造化モデルについての本を出すので買ってね、という話。考えておきます。