ベルタランフィー方程式の覚書

魚の成長曲線の式はすぐ忘れるし、あまりいい資料がないのでメモする。覚書なので導出は専門の資料を見てください。

 

W:体重量、a, b > 0を定数として

 \frac{dW}{dt} = aW^{2/3} - bW 

この式を移項して

 \frac{dW}{dt} + bW = aW^{2/3}  (1)

これはベルヌーイ型の微分式で、

 u = W^{1-2/3} = W^{1/3}

とおくとうまくいくことがわかっている。

u は重量の三乗根だから体長と見なせる。つまり、最初の式の第一項は体重の成長が消化管の面積(u^2)に比例し、第二項は採餌の際のエネルギーロスが体重(u^3)に比例することを示す。

(ちょっと仮定に違和感があるが、とりあえず納得しておく。体表からエネルギーを摂取する生物では最初の項は体表面積を表しているともいえそうである。)

 

 \displaystyle{ \frac{du}{dt} = \frac{du}{dW} \frac{dW}{dt} = \frac{1}{3} W^{-2/3} \frac{dW}{dt} }

移項して

 \displaystyle{ \frac{dW}{dt} = 3 W^{2/3} \frac{du}{dt}  = 3u^2\frac{du}{dt}}

 

これを(1)に代入して

 \displaystyle{ 3 u^2 \frac{du}{dt} + bu^3 = au^2 }

両辺3u^2で割って

 \displaystyle{ \frac{du}{dt} + \frac{b}{3}u = \frac{a}{3}}

 \displaystyle{ \frac{du}{dt} = \frac{1}{3} (a-bu) }

 \displaystyle{ \int\frac{du}{a-bu} = \frac{1}{3} \int dt }

 \displaystyle{ -\frac{1}{b}ln(a-bu) = \frac{1}{3}t+C}(定数Cは以降、随時新しいものに置き換える)

 \displaystyle{ ln(a-bu) = -\frac{b}{3}t+C}   

指数をとって

 \displaystyle{ a-bu = Cexp(-\frac{b}{3}t )} 

移項して整理

 \displaystyle{ u = \frac{a}{b} (1 - Cexp(-\frac{b}{3}t ) )}   

t = 0 のとき u = 0 とすると、C = 1

 \displaystyle{ u = \frac{a}{b} (1 - exp(-\frac{b}{3}t ) )}   

 t が無限大のとき u → a/b なので、a/b を L∞ として以下のようにも書ける。

 \displaystyle{ u = L_{\infty} (1 - exp(-\frac{b}{3}t ) )}   

この曲線は変曲点をもたず、上に凸の曲線となり一定値に漸近する。

 

つねに  u = W^{1/3}  の関係があるので、重量の式に直すと

 \displaystyle{ W = W_{\infty} (1 - exp(-\frac{b}{3}t ))^3 }   

これは変曲点を持ち、S字型になるらしい(これはまだ確かめていない。しかし最初の式を微分して二次導関数を見ればわかりそうである)。体長と体重で曲線の形が違うのは不思議である。

 

式の形に比べて意外と導出は難しい!あまり本に書いていないのもわかる気がする。