シラミダニ

今日は Heterostigmata(異気門類)のダニ。

アウェーの土地でアウェーの分類群となると、もうなにを言っているのかお手上げに近い。農業害虫のホコリダニと、院生時代にポテト培地か何かに発生したのを分けてもらって飼育したシラミダニなどは何とかわかった。(あれ刺すんだ。しらなかった。)

ヒトも刺すが、シラミダニは本来は主に昆虫寄生性で、おなかのなかで次世代が成長するという奇妙な習性で有名である。次世代は母親のおなかの中で交尾してから外部に出てくるので、オス成虫は必要最小限でよい。実際、9割以上がメスで、進化生物学の局所配偶者選択(local mate competition, LMC) の例として有名である。

Caraboacaridae ってなんだと思ったら、オサムシダニ!そういうのもあるのか。

 

晩はカップ麺とごはん。リンゴはおいしくて腹持ちがよいので重宝する。みんなはBBQにいったらしい。

 

 

 

ところで昨日書き忘れたが、Rayがサジェストしてくれた論文をメモする。

Nature Communicationsvolume 10, Article number: 2295 (2019)

Increasing species sampling in chelicerate genomic-scale datasets provides support for monophyly of Acari and Arachnida

Jesus Lozano-Fernandez et al.

https://www.nature.com/articles/s41467-019-10244-7

鋏角類の高次系統の最新版。ゲノムワイドの塩基配列データによるML法を使って、ダニが単系統であることを主張している。言われてみれば、ダニの単系統性はあまり疑ったことがなかったが、多様性を考えれば多系統の可能性も十分にある。この論文のメソッドは知識がないのでおいとくとして、書き方が少々わかりにくいのが残念である。

 以下もメモしておく。

10. Dunlop, J. A. & Alberti, G. The affinities of mites and ticks: a review. J. Zool.
Syst. Evol. Res 46, 1–18 (2008).
11. Van Dam, M. H., Trautwein, M., Spicer, G. & Esposito, L. Advancing mite
phylogenomics: designing ultraconserved elements for Acari phylogeny. Mol.
Ecol. Resour. 19, 465–475 (2018).

 

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もう理解不能。なんだこいつ。(Dasythraeidae科。ヤマアラシダニとでも言おうか)