床屋I

「まぶたの上を剃りますか?」
って顔面を剃るときに聞かれるんですが、僕にとっては当たり前で、顔にあるもんはなんでも剃ってもらいたい派です。
できれば鼻孔や生え際なんかも剃ってもらいたいくらいです。 
たまに新米さんとかひどく雑な奴がいて、そのやり方だと手が滑ったら眼球に当たるだろっていう人が担当になるときがあります。
そのスリルもまたいいものです。
度胸を鍛えることにもなるし、もし失敗した時はそれが目ん玉の天命なんだと思っています。
「まぶたの上を剃りますか?」に対して
いままで一度も「いや、今日はいいです」って断ったことがないのが僕のささやかな誇りです。
 

 
床屋の話は続きます。