僕はファミコンを持っていなかった
だから
ぼうけんのしょはきえてしまいました 」
という言葉の持つ感覚を
僕はきっと一生実感できないのだろう
 
僕らの少年時代にはヘンなゲームが多かった
大学寮で遅ればせながらそれらの一部を体験できたことは
かけがえのない財産になったのかもしれない
 
ミシシッピー殺人事件」というのもヘンな作品だった
タイトルは明らかにアガサ・クリスティの「ナイル殺人事件」あたりのパクリであろう
登場人物の受け答えがトンチンカンだったり
誤植がひどかったりして
推理ものなのにまったく緊迫感がなかった
死体を前にして「この人を知っていますか」と尋ねると
「ああ ブラウンさんですね」
とか間の抜けた返事が返ってくる
さらに追求すると
「なんですって 彼が殺された?」
足下に死体があるのに、探偵との会話がまるでかみ合っていなかった
 
同じ話が二度聞けないという制約が強すぎてすぐハマるので
ゲーム性が著しく損なわれていた
結局、私はクリアできなかった
現在はyoutubeで「模範解答」を示してくれる人がいて
これはこれでなかなかいい時代になったものだとも思う
 
以下の映像は犯人の仕掛けた「罠」のごく一部である
きっと犯人は「罠」の意味を勘違いしたのだろう