阿蘭陀滞在記 06.8.23(火)

  • なんとか発表終わり。午後一の講演でなんと5分オーバーで座長に止められてしまった(まったく無自覚)。なんでだ。練習では短いくらいだったのに。ウケはいまひとつか。やっぱり種間関係の発表は人気がある。一種だけの話はどうもウケが悪い。焦りと落ち込みを感じる。ともかく、みなさんに初回の講演につきあってくれてありがとうと言いたい。これが証拠写真だ。


 

  • もとい。こっちだ。

  • 遊んでばかりいたわけではないんだぞ。これでも毎晩練習したのだ。「落ち着いていた」という評価をいただいてありがたい。みなさま場違いな講演につきあってくれてありがとう。安心したことは、みんなきれいな英語をしゃべるわけではないということだ。ヨーロッパ人は文法が似ているせいか流ちょうに話すが、日本人には聞き取りにくい。ドイツ語やフランス語のなまりでまくしたてると往生する。
  • 印刷できる場所は発表が終わってから教えてもらった。講演会場の二階だった。最初のリマークでなにか言っていたことはわかったが、英語のヒアリングはまるでダメなので(学部時代、楽勝科目という噂の講義で単位を落としかけた)、どこにあるか全くわからなかったのだ。聞く気力が失せていた。私の話す英語はみんな"Sorry, perdon?"といつも聞き直されるので"Sorry, perdon?"ノイローゼになってしまった。さらに、道で肩が触れあうとまた"Sorry""Perdon"なので。
  • 我々のホテルがあるダム(Damn)広場周辺は観光地ずれしている。それが残念だ。ちょっとインドを思い出した。
  • 観光シーズンのせいもあるだろうが、人種が多い。ドイツ語、スペイン語、フランス語、中国語・・・全部耳に入る。
  • 面白い講演は・・・残念ながら正直に言って非常に少ないといわざるをえなかった。
  • ダニの分類の仕事が多い。電顕写真がとても多かった。
  • 石の上に住んでいるダニの映像が面白かった。♂は成虫化直前の♀を見つけると地面に自分の精子をうず高く積み上げ、♀を付属肢でつかんで自分の背中におぶり、地面に落として自分の精子生殖器に押し込もうとする。しかしダニは目が見えないので♂はなかなか見当を付けられず、♀の尻を石の上にしたたかに何度も打ち付けてしまうのだった。その映像がなんとも傑作だった。♀のいやがりかたは尋常ではなかった。性選択おそるべし。

 

  • いままで一番面白い観光をしたのは動物園(ARTIS)だ。アムステルダムに行ったらぜひ行くといい(なぜ『地球の歩き方』に載っていなかったのだろう?)。森林と建築を十分に生かした構成で、想像以上に良かった。日本も馬鹿みたいにコンクリートで固めないで景観を生かせばよかったのに。
  • 日本の人気がすごい。いたるところで日本が見られる。「ワガママ」という日本食のチェーン店がある。たぶん、「コダワリ」としたほうがよかったと思う。
  • ホームシック。これは、発表がいまひとつ期待したものではないせいかもしれない。発表のレベルは国内の学会のほうがずっと上だ、と思った。これはどの国の人も思っているのかもしれない。
  • 列車とか乗り物のたぐいはみんな運転が乱暴だ。「邪魔だ邪魔だ!どけどけ〜!」という感じでベルをならしていく。
  • せっかくホテルのすぐそばがRed Light District(売春街)なので、夕食後に散歩に行った。なんとガイド付きの観光ツアーがある。さっそくその中に潜り込んで説明を聞いた。ヨーロッパの老夫婦たちが多い。彼らはこんなの平気なのか。しばらく歩くと赤い照明のついたショーウィンドウで、×××を××しながら××を×××××××いる人がいた。日本人にはそうとうどぎつい。雰囲気にやられてすぐ帰ってしまった。私は臆病者だ。観光ツアーはこんなの平気なんだろうか。別行動のTさんはどんな人が中に入るか観察していたそうだが、残念ながらだれも入らなかったという。心臓強いね。
  • BBCが毎日のようにヨーロッパの移民と雇用の問題を特集している。オランダの住宅事情はたしかに大変のようだ。運河の上で生活している。それを観光客が見てよろこぶ。観光ツアーが潤う。カオスだ。
  • なにかオレンジ色の服を着てデモ行進して合唱している人によく出会うので何かと思ったら、アムステルダムのサッカーの試合なんだそうだ(負けた)。
  • たしかにオランダのサッカーの能力は高そうだ。強い骨格に加え、子供のときから反射神経が鍛えられているような気がする。日本人から見たらかなーりいいかげんで乱暴な運転をする電車をヨーロッパ人は巧みにかわしている。なにか動物的な勘でよけているように見える。
  • ここで仮説が生まれた。日本のサッカーを強くするためには、信号をいいかげんにして乗り物の運転を荒くすればいいのかもしれない。
  • つづく