Katsura 対 古畑任三郎

古畑「今回の実験計画は実に巧妙でした。犯人は植物を多めに育てて厳選した葉っぱだけを餌に使いました。さらに犯人は細心の注意を払って、実験容器の配置をランダマイズしました。これで微気象によるノイズは完璧にクリアされます。犯人は数時間おきに飼育容器の状態を観察しました。彼は容器の中で生き生きしているダニを見て、内心ほくそ笑んだのです。 
 全ては完璧となるはずでした。しかし、たったひとつ、犯人はミスを犯しました。ンーフフフ。彼は実験容器を入れるべきインキュベータを間違えたのです。本来は25℃14Lに入れるはずの飼育容器。犯人はこれを15℃9Lに入れて丸一日放置してしまったのです。
 ンーフフフ。当然ダニは卵を産んでくれませんでした。犯人は慌てました。腹を立ててインキュベータのドアを思い切り閉めた瞬間に、飼育容器が倒れて台無しになりました。
 そして犯人は何食わぬ顔で学生室に現れ、学生のおみやげの雷おこしを難しい顔でバリバリほおばっていたわけです。
 そう、そんなことができるのはKatsuraさん。貴方しかいないんです。」
Katsura「・・・なかなか面白い憶測だね。だが、証拠は?私がやったという証拠でもあるのかね。第一、たとえそのとおりだとしても、それが一体何の罪になるというのだろう?古畑さん、これで失礼させてもらうよ。」
古畑「Katsuraさん、あなた3年前にもアホな事件を起こして笑いものになっていますねえ。」
Katsura「・・・」
古畑「インキュベータの照明を毎晩8時にオフにしたい貴方はタイマーをとりつけた。しかし配線を間違えて、毎晩8時になると照明ではなくインキュベータそのものの電源が落ちるようにしてしまった。おかげでダニは休眠しなかった。空調が止まっただけで、照明は一日中ついていたわけですからねえ。それを大発見だと研究室のスタッフに触れ回った。
 その少し前には、ハダニの水死体にワムシが群がっていたのを見て、ワムシはダニに寄生すると言いふらした。みんなから冷たい視線を浴びるのをものともせず、貴方はそれを証明するために蒸留水にハダニの死体を浮かべた。ダニの死体からは何も出てこなかった。ワムシは単に水換えをサボっていたから勝手に湧いただけだったんです。」
Katsura「・・・何もかもお見通しというわけか。・・・計画は完璧だった。」
古畑「ンーフフフ。貴方に計画どおり実行するのは無理です。貴方はブログの小ネタでも考えている方がお似合いですぅ。」
チャラララララララ〜