大御所逝去

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050205&j=0028&k=200502054402

 Ernst Mayrは同所的種分化(sympatric speciation)と異所的種分化(allopatric speciation)を区別し、とくに後者が種分化に重要だという見解を示した。ネオダーウィニズムの流れを作った偉い人です。とはいえこういう古典的な本は(も)、ちゃんと読んでいないんですがね。
050207追記:Mayrは局所的種分化(peripatric speciation)の重要性を強調した人でもあった。この見解の内容は、親個体群から小さな個体群が局所的(peripheral)に分離して、その場所で創始者効果(founder effect)と自然選択によって遺伝子型が固定することにより、あらたな種が生じるというものである。少数の創始者による遺伝的浮動の効果を特に重視している。しかしこの見解には反論が多い。また、数量的に見れば、異所的種分化と局所的種分化の違いは、自然選択と遺伝的浮動のどちらが重要であるかという程度問題に帰着されてしまう。私が見た感じでは、この2つを厳密に分離して考えている人はあまりいないように思える。
 余談だが、同じ場所で異なる寄主植物に適応すること(host-race formation)による種分化(の可能性)は同所的種分化の範疇に普通は含められている。しかし、このような種分化の様式にしても、異所的種分化との違いは数量的な問題しかないという見解もある。