エコツーリズムと開発

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20041119&j=0049&k=200411198947

 エコツーリズムの理念は環境保全的な開発ということになるだろうかhttp://ecozy.fc2web.com/。題目はあっぱれであるが、現状では開発と保全は両立しないと思う。ツアー参加者が厳格な自然愛好家である保証はないし、多くの人にとって自然は単なる観光名所のひとつにしかすぎない。「観光客」に向けた開発というのは、他の観光地と同様、商業が優先になる。商業が優先というのは、多少の自然破壊には目をつむろうというのと同じだ。
 以前マレーシアのエコツーリズムに参加したことがある。自然が豊かな土地で、珍しい生き物がいっぱいいたが、素直に楽しむことができなかった。というのも自然破壊的な商業活動があまりにも目立ったからだ。ドアを開放してクーラーをがんがんにきかせる土産物屋、森林を切りひらいて作ったロープウェー、観光客向けの大量の食事、巨大なリゾート施設、高速道路、ネオンなどだ。何年も連続して参加している人の話では、状況はどんどんひどくなってきているということだった。この状況は「環境保全的」とはいえない。
 上の例は少し極端かもしれないが、多くの場所で起こっているか、起こりうることだ。ロシアも「環境保全的」の意味をよく考えなければ、マレーシアの例と似たようなことになると思う。杞憂であればよいが。